
ヤプリの技術顧問に上田 拓也さん(@tenntenn)が就任しました!
誰でも簡単に高品質なスマホアプリを開発・運用できるプラットフォームを運営する株式会社ヤプリ。導入実績は400件を超え、アプリ開発のノウハウを持たない事業会社のモバイル戦略を支えています。
この度、Go ConferenceをはじめとしたGoコミュニティの運営者であり、Google Developer Expert(Go)でもある上田 拓也さん(@tenntenn)がヤプリの技術顧問に就任しました。「Goコミュニティへの貢献」をミッションに掲げるtenntennさんと、「Mobile Tech for All」をミッションに掲げるヤプリで様々なチャレンジを推進していきます。
今回はCTOの佐野がインタビュアーとなり、tenntennさんのミッションやGoへの想い、ヤプリに感じた魅力、今後の取り組みの様々な可能性についてお話いただきました。
■プロフィール
上田 拓也(@tenntenn)
メルカリ/メルペイ所属。バックエンドエンジニアとして日々Goを書いている。 Google Developer Expert(Go)。Go Conference主催者。golang.tokyo、Goビギナーズ、GCPUG Tokyo運営。 大学時代にGoに出会い、それ以来のめり込む。 社内外で自ら勉強会を開催し、Goの普及に取り組んでいる。 マスコットのGopherの絵を描くのも好き。人類をGopherにしたいと考えている。
次のステージに向けた、Goでの開発
佐野:
tenntennさん、技術顧問を引き受けてくださり本当にありがとうございます!はじめにヤプリがなぜtenntennさんに技術顧問をお願いすることに至ったのか、お話させていただきますね。
元々ヤプリのCMSは、エンジニアとしては僕一人が自分の技術で作ってきたものが土台となっています。事業が成長していくなかで、まだまだチャレンジしたいことは山積みです。そのチャレンジを実現するためには、仲間を増やしていく必要があります。
一方でヤプリの今のCMSそのままでは、メンバーが増えるほど開発の効率が落ちていくことに危機感を感じていました。CMSのリプレイスを進めていくにあたって、今後の展開を考えたときにGoを採用しようという結論に達したんですね。
今はまだみんなで勉強しながらGoで開発をしている状況です。ここから「Goといったらヤプリ」と言って頂けるくらいまで開発の質もスピードもあげていきたいと思っています。
そこでGoの普及をミッションとし、様々な勉強会も主催しているtenntennさんと、一緒に次のステージを作っていきたいと思いお声がけさせてもらいました。
tenntenn:
ありがとうございます!
とにかくシンプル、Goの魅力
佐野:
そもそもtenntennさんとGoとの出会いはどんなものだったんですか?
tenntenn:
私自身は就職する前からGoを書いてましたね。大学時代に研究用のシミュレータをJavaで開発していたんですけど、規模が大きなシミュレーションを行うにはもう少しシミュレータの改善をすることが必要になってきたんです。当時は2011年、Goが出て少したったタイミングで、まだGoのバージョン1がでる前でした。とにかく調べながら開発を進めてみました。
佐野:
あの時期、検索してもなかなか情報が出てこなかったですよね(笑)
tenntenn:
当初はそうでしたね。私は当時は愛知県にいたのですが、その翌年にはGoを書いているメンバーとオンライン形式での勉強会を始めました。東京に来てからGo Conferenceを手伝うことになり、そこから運営に携わるようになりました。
佐野:
僕自身は当時、Yappliの立ち上げでとにかく必死な日々を過ごしていました(笑)
正直に言うと「いつのまにかGoの界隈がとても盛り上がっている!」という印象があったんですよね。
tenntenn:
2012年に名古屋で実施した勉強会も回数を重ねるなかでアップデートしながら拡大してきました。2016年にgolang.tokyo(※)が立ち上がったタイミングも影響していると思いますね。
※ Goの導入企業のメンバーがGoの普及を推進するコミュニティ。tenntennさんも運営に関わる。
佐野:
tenntennさんから見たGoの魅力とは?
tenntenn:
とにかく言語がシンプルなところですね。言語仕様を拡充するというより、シンプルさを保つところに集中しているというか。そうして言語自体がシンプルなので、Goを使う人のコードも複雑にはならないんですよね。
佐野:
業務で使ううえでもシンプルさがスピードにつながる、というのもヤプリでの導入判断の一因になりましたね。コミュニティやカンファレンスでの知見共有の広がりも背中を押してくれました。
tenntenn:
あとはマスコットのGopherの存在も大きいですね。
じつは私のリポジトリでスター数一番多いのはGopherのイラストかもしれない(笑)
Goで仕事ができるひとを増やしていきたい
佐野:
tenntennさんのGoに対するミッションとは?
tenntenn:
日本のGoコミュニティが盛り上がって、Goで仕事をする人が増えて、いろんな知見を共有できるコミュニティになってほしいと思っています。そのためにはいろんな企業でGoを活用するようになってほしい。そのためにできることは色々やっていきたいんです。
佐野:
今はどんな活動をされてるのですか?
tenntenn:
日本のGoコミュニティを盛り上げるためにカンファレンスや勉強会を運営しています。
あとは社会人、学生、プログラミング初心者向けにトレーニングやハンズオンなども行っています。やっぱり仕事で使える人が増えることが重要。そのためにも自分が所属している企業だけでなく、他の企業にもGoを広めていきたいです。
佐野:
そうですね。ヤプリもはたらく場所としてだけでなく、Goの導入企業として積極的にコミュニティに還元していきたいなと思っています。
「技術的な面白さが詰まっている」ヤプリのCMS
佐野:
そんなtenntennさんにお声がけさせて頂いたわけですが、ヤプリへの最初の印象はいかがでしたか?
tenntenn:
知人が入社したことを耳にしたり、ヤプリの広告を見たことはありました。Yappliを使って作られたアプリは知らないうちに使っていたのですが、実際にプロダクトに触れる機会がなかったので、どんなサービスなんだろう?と思ってました。
佐野:
そこでCMSを実際に見て頂きましたが、感想はいかがでしたか?
tenntenn:
率直に「よくできている!」と思いました!CMSでの変更内容がリアルタイムでスマートフォン端末のデモに反映される仕組みには驚きましたね。リアルタイムと一言でいっても色々実現方法があると思うのですが、CMS上の操作とほぼ時間差がなく実機に反映されてびっくりしました。これをどう実装しているのか、そこに面白さが詰まっていて色々質問させて頂きましたね。
佐野:
ありがとうございます!そこには自信があったので驚いてくれて嬉しかったですね〜!
tenntenn:
私もCMSを作ったことがあるぶん、あれだけの機能と汎用性のバランスを維持してきたのは相当な苦労があっただろうなと思いました。
佐野:
そのバランスは創業当初からこだわってきたところですね。多くの企業に導入頂いているからこそ、汎用性と利便性のバランスを重視しています。お客様からご意見を頂くことも多いのですが、「なぜその機能が欲しいのか」の根本にある課題を見落とさないようにしています。解決したい課題が明確になれば、他にも必要としているお客様がいた時に展開していけるはずなので。
tenntenn:
開発者にとっては様々な最先端の技術を使って機能を作ることができて、それを実際に喜んでくれるお客様がいるのも非常に面白い点だと思いました。
佐野:
そこはヤプリの強みでもありますね。アパレル、飲食、銀行など多種多様な領域の企業に導入頂いているからこそ積極的にチャレンジできる機能もありました。例えば2019年4月にリリースした「AR機能」。一つの企業でAR機能を実装するのは大変だと思いますが、プラットフォームとしてヤプリが実装することによって、多くの企業がAR機能を用いたコンテンツを提供することができます。
tenntenn:
あと可能性を感じたのは、社内での利用を想定したビジネスアプリとしての展開ですね。社内で発生するちょっとした仕事や課題について、アプリを使って解決する方法はいくらでもあるなと感じました。
佐野:
Yappli for bizは強化している柱のひとつですね。例えば販売店を多く持つ企業の情報共有としてのアプリ活用や、生徒手帳に代わる手段として大学での利用実績なども増えてきています。
tenntenn:
CMSや事例を見ていくなかで「あんなことも、こんなこともできそう」とイメージが膨らみました!
@tenntenn × ヤプリ = ??
佐野:
ヤプリの技術顧問を引き受けてくれた理由を改めて聞かせて頂きたいです!
tenntenn:
やはりGoを使用した開発を推進している点は大きかったです。これから推進していくにあたって何か協力できることがありそうだなと素直に思っています。あとはヤプリ社内でGoの知見を共有していくだけでなく、これからGoを使う人を増やしていく、そういった活動にも理解がある会社だと感じました。
佐野:
まずはどんなことをやっていきたいですか?
tenntenn:
これまで私がやってきた研修はヤプリ社内に向けても実施していく予定です。あとは社内での情報共有の促進や、ヤプリメンバーが社内で得た知識を外に共有することでコミュニティへ貢献していく文化もつくっていきたいです。将来的にはGo Conferenceや国外のカンファレンスでの登壇にヤプリメンバーがどんどんチャレンジしていけるようになれば嬉しいです。
佐野:
その点はぜひ強化していきたいところです!
tenntenn:
カンファレンスへのスポンサーを通して、ヤプリにしかできないような技術コミュニティへの関わり方が出来そうだなとも考えています。例えば、カンファレンスのゲスト向けアプリをYappliを使って作ってもらうとか。ARのように最新技術を業務で用いることができると思うので、そこで得たノウハウをセッションやハンズオンなどで提供するのもおもしろいかなと。
佐野:
以前協賛したカンファレンスでスタンプラリーのアプリを展開したら、好評を頂いたこともありました。アプリを通してCMSに触れる機会は増やしていきたいですね。
「衣」「食」「住」をテクノロジーで便利にしていく
佐野:
僕たちヤプリは社内に開発部門を持たない企業でも、質の高いアプリを開発・運用できるプラットフォームを提供することで「Mobile Tech for All」を実現したいと思っています。このミッションに対してtenntennさんが思うところはありますか?
tenntenn :
自社でアプリを開発できなかった業界にYappliを使って開発されたアプリが入っていくことで、これまではエンドユーザに提供できなかった価値が提供できるのかなと思ってます。アプリだからこその表現力で世界観を構築できる企業が増えていく。従来アプリを使ってなかった業界がアプリを使ってくれることはワクワクしますね。
佐野:
まだまだテクノロジーが届いていない業界、領域はあると思うんですよね。最近経営陣で話していたのは「衣」「食」「住」をテクノロジーで便利にしていく、ということ。もしかしたらアプリにこだわらなくてもいいかもしれない、とすら思っています。
僕たちはプロダクトありきではじまった会社です。これからも、それは変わらない。僕たちが興味を持ってつくりあげたプロダクトで、多くの人たちをハッピーにしていきたいと思いますね。
tenntennさんの技術顧問就任により、ヤプリでのGoを使用した開発の進化、ヤプリだからこそできるGoコミュニティへの貢献を推進していきます。