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実店舗をECサイトのように分析する。オフラインの行動データ活用法【Yappli Insight Letter # 4】

「Yappli Insight Letter」は、アプリやデジタルトランスフォーメーション(DX)の気になるトピックスについて、専門家のみなさまに「見方」「考え方」を提供していただく、読み物形式のメールマガジンです
※本noteは、メールマガジンの内容の転載です。

今回は、Tangerine 株式会社 企画営業ディレクターの成田雅弘さんにご寄稿いただきました。同社が手がける「Tangerine nearME™(タンジェリン ニア ミー)」は、ビーコンをはじめとする様々なデバイスを利用して、生活者の「オフライン行動データ」を分析するプラットフォームです。オンライン上のデータだけでなく、実店舗というオフラインの場におけるデータも活用することでマーケティングはどのように進化するのでしょうか?

これからの実店舗が「テクノロジーだらけ」になる理由

小売業で注目を集める、店舗のDX。なかでも、実店舗における「オフライン行動データ」を取得するためのテクノロジーが、大きな可能性を秘めていると言われています。

これからの時代は、実店舗でもECと同様に、消費者の行動を定量的に判断することが必要となります。

例えば、購買前のデータを分析して、「なぜ買われなったか」を把握することで、今まで定性的な判断で行なっていた店舗施策を定量的に議論することができます。これにより、効果的にPDCAを回すことが可能となります。

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データを取得するためには、店舗内に様々なデバイスを設置する必要があります。代表的なセンサテクノロジーとしては、ビーコン、Wi-Fi、カメラなどが挙げられます。行動データを分析するために、これら全てが必要なわけではなく、どういった分析や施策を必要とするかをベースに適材適所で活用すると良いでしょう。

そして、様々なIoTデバイスを活用して、包括的にオフライン行動データを分析し、最終的にユーザーとのコミュニケーションに結びつけるためには、アプリが最も有効な接点になります。

例えば、ビーコン。ビーコンとは、低消費電力の近距離無線技術「Bluetooth Low Energy」(BLE)という新しい位置特定技術を利用したデバイスのことを言います。この仕組みを使うことで、アプリを持つユーザーの来店が検知できます。

同じように位置情報を把握するためのテクノロジーとしてGPSがありますが、GPSで特定できるのはあくまで「店舗がある位置」に居ることであって、実際に店内の中に居るかどうかまでを検知することは困難です。そのため、ユーザーのいる場所が「店内」であると判別するには、ビーコンが最も最適と言えます。

ユーザーが店舗の近くを訪れたとき、スマホのWi-FiがONになっていれば、アクセスポイントが自動で存在を検知します。これにより、総来店者に近い数を計測できますし、従来の入店カウンターでは取れなかった店外の通行客や滞在時間、さらには店内のゾーンごとの立ち寄り数も把握できます。

また、後ほど詳しく解説しますが、この仕組みにカメラを組み合わせることで、来店したユーザーの年齢、性別などのデータも取得することが可能になります。

Wi-Fi、ビーコンは1台あたりの設置コストも比較的安価なため、比較的スモールスタートで始められるメリットもあります。

目に見えないため、いち消費者として小売店を訪れただけでは気づかないかもしれませんが、実は店舗のなかではこうしたテクノロジーの導入が進んでいるのです。

どんなオフライン行動データが取得できるのか

上記のようなデバイスを活用することで、オフラインでの行動をデータ化し、ECサイトのようなオンラインでは当たり前のように行っているデータ分析が可能になります。

つぎに、具体的にどのようなデータが取得できるのか見ていきましょう。

まず、Wi-Fiとビーコンを組み合わせることで、総来店者数のうち、アプリユーザーがどれだけ入店したかを計測することが可能になります。

この数値を店舗ごとに計測することで、アプリユーザーの来店シェア率がわかります。従来の「アプリダウンロード数」を中心とした指標から、「店舗ごとのアプリユーザー来店者数」へKPIを転換し、それを元に店舗施策を考えることが可能になるのです。

このような来店者の特性を細かく分類することで、今後は来店者のうちのアプリユーザーを増やす施策を優先すべきか、アプリユーザーそのものを増やすべきかなど、店舗ごとの課題を明確にすることが可能になります。

さらには、ビーコンを売場のゾーンごとに設置することで、より細かい行動データを取得できます。

例えば、あるアプリユーザーが陳列棚の前にどれくらい居たのか、という滞在時間を測ることができれば、滞在時間が長いほど興味関心が高いと考えられるため、その売場のカテゴリーの商品と紐付けた内容のクーポンを送付することで、購入を後押しできます。

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このように細かいデータを蓄積し、さらにCRM/MAツールと連携することで、よりパーソナライズされた1to1のマーケティングが可能になります。

今後はマクロ的な視点で分析を行い傾向をつかみ、さらには「アプリユーザー = ロイヤルカスタマー」としてユーザーごとに最適化されたコミュニケーションを図ることができるかが重要となります。

そういった「接点」をより確実にするためには、ビーコン×アプリの組み合わせが最強の組み合わせと言えるでしょう。

ビーコン×アプリの組み合わせでデータを活用

小売業では、今後よりアプリ活用のニーズが高まっていくでしょう。来店者に対して1to1でコミュニケーションを取るための手段としては、アプリが一番有効です。
ここにビーコンを組み合わせることで、オフライン行動を活用したマーケティング施策が可能になります。

代表的な例として、
(1)店舗近隣にいる際のプッシュ通知配信
(2)来店スタンプやポイントなど来店特典の配布
(3)スタッフがデータを把握して接客に活用

などが挙げられます。順番に見ていきましょう。

(1)店舗近隣にいる際のプッシュ通知配信
ビーコンを使えば、お客様が来店しなくても、店舗付近にいるだけでプッシュ通知の配信が可能になります。例えば、時間限定のタイムセールなど、その瞬間の限定的な施策に対して付近のユーザーを巻き込むといった集客が可能になります。

(2)来店スタンプやポイントなど来店特典の配布
来店時に自動でポイントやクーポンなどを配布することは、来店の強力な動機となり、継続的な来店にもつながります。また、来店間隔が過去より空いているユーザーに対しては、離反されてしまわないないようにお得な情報やクーポンを配信して、再訪を促します。

こうした施策を実施することで、アプリのポイント機能を使う機会も自然と増え、自身のスマホに数多くあるアプリの中に埋もれることを防ぎ、アクティブ率を向上できます。ブランド想起という観点でも十分な効果が期待できます。

(3)スタッフがデータを把握して接客に活用
ビーコンを使えば、何回目の来店なのかといったデータも把握できます。前回の購買履歴と紐付け、前回の購買履歴などの会員情報をスタッフが把握することで、接客に活かすことも可能になります。

店舗のDXでオフラインとオンラインを融合する

ビーコンの最大の特徴は、店内に設置するため、来店したというデータを確実に取ることができる点にあります。今後は、店舗内の施策を考える上で必要不可欠なデバイスとなるでしょう。

そして、会員IDとオンライン連携が容易にできるアプリと組み合わせることで、オフラインとオンラインを融合した施策が可能になり、OMOの世界をより身近に提供することができます。

こうした店舗のDXによって、ユーザーの顧客体験を最大化し、LTV向上を目指されてはいかがでしょうか?

執筆者プロフィール

成田 雅弘(なりた まさひろ)
Tangerine株式会社 企画営業ディレクター
大学卒業後、ジーンズカジュアルチェーンへ入社。店長、エリアマネージャー、バイヤー、MD、EC立ち上げと小売での一通りの業務を経験し、POS大手の東芝テックへ転職。専門店向け新規ソリューション開発を担当しアクセラレータープログラムにて複数のスタートアップ企業のカタリストとして新規事業創出活動に従事。その後オフラインデータの可能性に惹かれtangerineにジョイン。

▼Tangerine
https://tangerine.io/

プロフpic_narita

YappliはTangerineと連携が可能です


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株式会社ヤプリのnoteです。 アプリ開発・運用・分析をノーコードで提供するアプリプラットフォーム「Yappli」を提供しています。 https://yappli.co.jp/

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